トロムソでの責任あるホエールウォッチング
毎年冬、ツアーボートの船団が同じニシンの群れを目指して出航しますが、クジラは食べるためにそこにいるのであって、ショーをするためではありません。良いツアー会社は到着するずっと手前で速度を落とし、動物が自由に動ける余地を残します。乗客にも、思っている以上にできることがあります。その第一歩は、どのツアーを予約するかです。
冬にルールが重要な理由
シャチとザトウクジラが北のフィヨルドへ来る理由はひとつ、そこで越冬するニシンです。ノルウェーのシャチは魚を海面近くの密集した玉に追い込み、尾びれで気絶させて狩りをします。これには熟練したチームワークが必要です。ザトウクジラの多くは、南への長い回遊の前にここで餌をとります。突っ込んでくる船は狩りを台無しにしたり、クジラを予定外の潜水に追い込んだりしかねません。
1隻だけで害を与えることはめったにありません。問題は数です。12月と1月、トロムソから出る日帰りの船は、Skjervøyから出る小さめの船とSkjervøy近くの餌場を共有し、しかもすべてが同じ数時間の薄明かりに集中します。見られる種類と餌のとり方は専用のガイドで紹介しています。
ガイドラインが船に求めること
ツアー情報には2種類のルールが出てきます。Visit Tromsøは地元のツアー会社向けにホエールウォッチングのガイドラインを公表していて、Rødneはさらに北極探検クルーズ運航者協会(AECO)の鯨類ガイドラインも挙げています。大まかに言えば、乗組員に次のことを求めています。
- クジラに着くずっと手前で減速し、急な速度や針路の変更を避ける。
- 横か後ろから近づき、決して正面からは近づかない。
- クジラの進路をふさいだり、船同士のあいだに動物を閉じ込めたりしない。
- 早めに潜る、向きを変えるなど、動物の行動が変わったら離れる。
- ほかの船と海域を分け合い、ひとつの群れを取り囲まないようにし、各船がとどまる時間を制限する。
ここでは具体的な距離を何メートルとは書きません。どのガイドラインに従って航行し、どこまで近づくのかを乗組員に聞いてみてください。良い乗組員なら喜んで説明してくれますし、その答えからその日の様子がよくわかります。
RødneとイチオシのHelgøy Skyssbåtのカタマラン(約217ドル)は、どちらもノルウェーの企業向け環境認証であるエコ・ライトハウス(Miljøfyrtårn)の認証を受けています。Rødneは船内へのドローンの持ち込みも認めていません。
エンジン音と電気という選択肢
音は水中で遠くまで届き、クジラは仲間や餌を見つけるのに音を使います。Brim Explorerのハイブリッド電気ボート(約196ドル)は通常のエンジンで出航し、クジラの近くで無音の電気モーターに切り替えます。動物にとってははっきりとした利点で、乗客もその静けさに気づきます。引き換えになるのは大きさで、Brimは1隻に100名以上を乗せます。
ほかのツアー情報には電気推進の記載はありません。RIBは小さく低い船ですが、強力な船外機で走るので、動物の近くで操縦者がどう扱うかによって影響が変わります。快適さと料金での船のタイプの比較はRIBか大型船かをご覧ください。
人数と混雑
| ツアー | 料金 | 乗客数 | ツアー情報の記載 |
|---|---|---|---|
| イチオシ、Helgøy Skyssbåt | 約217ドル | 147席に最大90名 | エコ・ライトハウス認証 |
| Brimのハイブリッド電気ボート | 約196ドル | 100名以上 | クジラの近くで無音の電気モーター |
| Rødneのカタマラン | 約196ドル | 記載なし | Visit TromsøとAECOのガイドライン、エコ・ライトハウス、ドローン禁止 |
| Polar Adventures | 約235ドル | 最大50名 | どの船より先にクジラのもとへ、2~2.5時間滞在 |
| Skua Nature | 約383ドル | 最大12名 | 動物行動学者のネイチャーガイド |
| Magic SkjervoyのRIB | 約353ドル | RIB1艇あたり最大12名 | 特記事項なし |
少人数は乗客にとっては快適ですが、クジラにとっては、各船に何人乗っているかより、近くに何隻の船がいるかのほうが重要です。ひとつの群れを10艇のRIBが囲むのは、離れた場所で静かに待つ大型カタマラン1隻より悪いこともあります。Polar Adventures(約235ドル)は、どの船より先にクジラのもとへ着き、2~2時間半とどまるとしています。それが気になるなら、ほかの船が来たときに海域をどう分け合うのか聞いてみましょう。
小さな船には小さな船なりの利点があります。Skua Nature(約383ドル)では、12名のグループに動物行動学者、つまり動物の行動を読み取る訓練を受けた人がネイチャーガイドとして同行します。そういうガイドは、クジラが人の相手に疲れてきたことに気づき、それを口にしてくれることが多いものです。どの船でも、クジラが何をしているかを説明してくれる乗組員は、たいていその行動を尊重する乗組員です。
ルールを明言する乗組員
Rødneの高速カタマラン(約196ドルから)はVisit TromsøとAECOのガイドラインに従い、行きの船内でクジラのレクチャーを行い、ドローンを船に持ち込ませません。
シャチとのシュノーケリングをめぐる議論
ここ数年の冬、ノルウェー北部の一部のツアー会社は、餌をとるシャチのあいだでシュノーケリングをするツアーを提供しています。支持する人は、動物を大切に思う気持ちを育てる貴重な出会いだと言います。批判する人の中には、クジラを研究する科学者もいます。狩りを妨げることに加え、大型の捕食者のそばの冷たく暗い海で泳ぐ人の安全も懸念しています。ノルウェーではこれに関するルールが議論されていて、変わる可能性があります。
このサイトで紹介しているツアーに、シュノーケリングを含むものはありません。ほかで検討しているなら、水中にいる時間をどう制限しているか、一度に何グループが入るのかをツアー会社に聞いてみてください。私たちの考えは慎重です。距離を保つ船から見るほうが、動物にやさしい選択です。
甲板からできること
- ガイドラインを明言しているツアー会社を予約し、船上でそれについて聞いてみる。
- 船長にもっと近づいてと頼まない。クジラは静かな船に自分から近づいてくることがあります。
- エンジンが静まったら声を落とす。みんなが潮吹きの音を聞けるようにもなります。
- ドローンはホテルに置いてくる。Rødneでは禁止で、クジラの上で飛ばすのはどの船でもよくない考えです。
- 近さを望むかわりに、長めのレンズを持っていく。レンズと甲板のマナーは写真撮影ガイドで紹介しています。
- ゴミは持ち帰る。船の外には何も捨てません。
- 静かな日も受け入れる。クジラが神経質なときに距離を保つ乗組員は、きちんと仕事をしています。クジラが見られなかった場合、ほとんどのツアーで再挑戦できます。
クジラは以前にも魚を追って移動してきました。どこへ、なぜ移ったのかは船が今Skjervøyへ向かう理由で解説しています。